第四章
高年齢船員に係わる災害防止のための考え方と提言
4−1
高年齢船員はいかに安全に働くべきか(ヒューマンマネージメント)
(1)高齢化社会とは
昔から頭・心・身体・銭の言葉を入れた諺や話は多い。頭は知識や知恵の元であるし、心は意志・感情を、身体は健康と病気のこと、銭は経済問題を意味し、これらはいつの時代にも生活や仕事をしていくためには等閑にしてはならぬことの重要性を教えたものだった。
人生を健やかに生き、全うするということは、ところは違っても古今変わらぬ願望であった。さらに、高齢化社会、環境変化、そして労働の質的及び量的変化等、問題の多い現在では健やかに生き、人生を全うするためには、それなりの色々な意味の努力が必要になっていると考える。特に、業務や生活環境の特殊性を持つ船員は、より自助的努力が必要であるとともに、他助的対応も必要と考える。
高齢化、近年この言葉は折に触れて話題となるが、これはどういう状態なのか、人の一生、加齢の特徴のアウトラインを掴んでみたい。
(2)労働人口の高静化
我が国の人口動態は高齢化社会の様相を呈し、労働人口も表7に示すように高齢化している。安全と健康には、この視点からのチェックも重要である。
表7 性・年齢階級別労働力人口比率の年次推移
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